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三 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 三
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|::::::::::::::::::::::::::::: ヽヽ / \ヽ
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\ 〜〜'ヽ / \ ̄ ̄/\
'''- ,,,,,,__,,,,, / ゝ / ⊂ノヽ
/_\/ / \ (__ノヽ
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| \ .| \ 三 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 三
| ヽ| \ /|| ||||||||||||||||||||||||||||| ||\
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ポ | ' |/ ):::::::::::::::::::::: i i
リ ヽ ' /:::::::::::::::::::::::::::: ∪ |
i ヽ ),:::::::::::::::::::::: ,'_
ポ \二:::::::::::::::::::::: / \
リ ( ( | \ 〜〜'ヽ / \ ̄ ̄/\
| '''- ,,,,,,__,,,,, / ゝ / ⊂ノヽ
\ /_\/ / \ (__ノヽ
\ / / / i \ /i
\ | / ソ /
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││
││ ┌────────────────
││ │今日もぶつぶついってるなぁ、隣の人。
││ └──────┐
││ │ 大丈夫かしら。
││ └─/───────
││
││ ∧ ∧ /V\
││ ( ; Д) ( ・−・)
││ UU[ ヽ / G⌒YO
││ (_(_i]_) {l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││ ┌────────────────
││ │君、耳いいね。僕は気にならないけど。
││ └────────Ο───────
││ ┌─────── 。
││ │ えぇ〜?
││ └───/───
││
││ ∧ ∧ /V\
││ ( ; Д) (・−・ )
││ UU[ ヽ / G⌒YO
││ (_(_i]_) {l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
98番さんが来てから、2ヶ月半になる。
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【落ち葉とヘドロ】
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││
││
││
││
││ `X
││ ∧ ∧ /V\
││ (,, ^д) ( ・−・) メ
││ UU[ ヽ / G⌒YO
││ (_(_i]_) {l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││ ┌─────――─┐
││ │ 98番さん、. |
││ └――――┐ └――――――――――――
││ |忘身刑を受けたら、ボクらの性格って
││ |変わってしまうんでしょうかねぇ。
││ └――/―――――――――――――
││ `X
││ ∧ ∧ /V\
││ (,, ^Д) ( ・−・) メ
││ UU[ ヽ / G⌒YO
││ (_(_i]_) {l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││ ┌─────────────────――
││ │ そんなこと、僕が知るわけないじゃないか。
││ └――――――――――Ο―ナンデ僕ニ聞クノ―
││ ┌───────────── 。
││ │ いえ、98番さん、
││ │ そういうの詳しそうだから…
││ └────/───────―
││
││ ∧ ∧ /V\
││ ( ;^д) (・−・ )
││ UU[ ヽ / G⌒YO
││ (_(_i]_) {l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││
││
││
││ ┌―――――――――――――
││ |…まぁ確かに嫌いじゃないね
││ └―――――Ο―――――――
││ 。
││
││ ∧ ∧ /ヽ\
││ (,, ^д) ( ・−・)
││ UU[ ヽ / ヽソ∩)
││ (_(_i]_) {l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││
││ ┌─────────────
││ │ あくまで憶測だけど…聞く?
││ └────────Ο――――
││ ┌───────── 。
││ │ ええ、お願いします
││ └───/────
││
││ ∧ ∧ /V\ 暇ナンデショ
││ (,, ^Д) ソウナンデス (・−・ )
││ UU[ ヽ / ヽソm)
││ (_(_i]_) {l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││
││ ┌────────────────┐
││ │ そうだね、受刑後のことについては .└────
││ │ 僕も色々と推測したね。
││ └───────┐
││ │ ──で、導いた結論だけど
││ └───Ο─────────
││ 。
││ ∧ ∧ /V\
││ (,, ^д) ( ・−・)
││ /]∪∪ / ヽソ∩)
││ と_)__) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌───────────────
│ 忘身刑受刑後、人の性格は──
└─────Ο─────────
。
/V\
( ・−・ )b
/m<yゝ ノ
(__と_)
。
┌──────Ο─────
│ 「ちょっと変わるけど
│ 基本的にはそのまま。」
└────────────
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││
││┌───────
│││ 随分とふわっと
│││ してますねぇ ┌──────────―――
││└─────/─ │ ふわっとしてようがしてまいが
││ | そういう結論なんだから
││ | 仕方ないじゃないか
││ └―――――――Ο―――――
││ ∧ ∧ /V\ 。
││ (; ^д) + (・−・ b
││ /]∪∪ / ヽy>ノ
││ と_)__) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││
││┌────────────────
│││ まずね、僕らの受ける「完全忘却」は
│││ 全てを忘れさせる刑と言われるけど
│││ …どう思う?
││└───────――――Ο――――
││ ┌────―― 。
││ │どうって…
││ └──/───
││ ∧ ∧ /V\
││ (; ^д) (・−・ )
││ /]∪∪ ( ∞ ヽ
││ と_)__) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ o  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─────────Ο───―
| 記憶は人格の拠り所だ。
| 全ての記憶を消去された人間が
| 正常でいられるわけがない。
└――――――――――――――
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例えばある人が初めて酒を飲む。
ぐでんぐでんに酔っ払った次の日彼は自覚する。
∧_∧
(|! д⊂ヽ゛
/ _ノ⌒⌒ヽ.
( ̄⊂人 //⌒ ノ
⊂ニニニニニニニニニニニニニ⊃
「俺は酒に弱いんだ」
その日から彼は「酒に弱い人物」となる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その日出勤すると、上司に酒癖を咎められる。
ミ ∧_∧ ゝ ∧_∧
( ;) \ ('(@Д@#)
( O ノ −− ヽ )
| | | | | |
(_(__) (_(_)
「もう酒は飲まないでおこう」
彼はその途端「酒を飲まない人物」となる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
彼は飲みの誘いを断るようになる。
∧_∧ \ ∧ ∧ ∧,,∧ ∧ ∧
( ;∩ ― (゚ー゚*/) ミ_゚Д゚,,ミ (*゚∀゚)
( ノ / | ノ (ミ ミ) (| ⊃
| | | | | ミ ミ 〜(_つ
(__)_) U U ∪'∪ し'
周りは言う
「付き合いがわるいなぁ」
彼は「付き合いの悪い人間」となる。
彼はそれでも無意識的に「酒を飲むこと」を選択肢から外して
生きていくこととなるだろうね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌───────
│いい天気モナ ┌→×
└─v───── ┌→上野に行く ×.. ┌┤
∧_∧ ┌→買い物に行く 〇 ───┤. ┌┤└――〃―→〇
( ´∀`) ───┤ └→それ以外 〇 ―─┤└→×
└→それ以外 × _ ∧_ _ _ _. └→×
_ _∧_ _ _ l 上野で掘られそうに l _ ∧_ _
l 買い物は楽しい l . l なったという記憶. l l etc. etc. etc. l
l という記憶 .l └− − − − − ┘ l etc. etc. etc. l
└ - - - - - - −.┘ └ - - - - -┘
人格というのは、そうやって経験を元に
選択肢を収束させることによって成り立っているんだよ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││┌────────────────――――――
│││ 人の意識は「顕在意識」と「潜在意識」に分けられる。
││└───┐
││ │顕在意識とは、今思い出せる記憶含め、
││ │「自分」とはっきり認識できる部分だ。
││ │それが全意識の一割。
││ └──────―Ο――――――――――
││ 。
││ , /V\
││ ∠ ; ^ ) ( (`(・−・ )
││ /]∪∪ ソ <y>mゝ
││ と_)__) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ o  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌─────────Ο──────
│顕在意識は残り九割の潜在意識に
│知らず知らずのうちに支配されている。
└────────────────
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││
││ ┌――――――――――――――
││ |そもそもフロイトが提唱したのは…
││ └―――――――――――――
││
││ ┌―――――――
││ | ごめんごめん
││ └――Ο────
││ 。 /V\
││ ∠;∩∩ゝξ (`(・−・ )
││ /] _ノ ノ ソ <y>mゝ
││ と_)__) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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││
││ ┌───────────
││ │じゃあこうしよう
││ └──――――Ο――――
││ 。
││
││
││ ∧ ∧ /V\
││ (; ^д) ( ・−・ )
││ /]∪∪ ( ∞ ヽ
││ と_)__) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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从jwwj从リj"W゙リw;y.ノ,:;'''゙/...........;;;;.....wWj ll;:ll| |;l;::l|;;.|;l;::l|: ;.:; :;:;: ; . ;:;:;:|,,;::l|.;.;|;;;:ll| |;l;::l|
;::iii::i|:|: :| ::| :: リjイ/::'':;iノノ,.,;;;;;;;;;;;;;....::::::r''~ l;l|;.:';''"";ノ;.;;:ll,l;::;;;;;;;;;;; :|;;;:ll|.;.;|;l;::l| ;; |;;;:ll|::::;;;
ii;:'':::|;} : :| : )ヽ//i;:/ノ...,,.......,w'バjW´`::;ノ ::;;lll;;:: ;; ;:::::;;::::,.;;''""" ;;;::::.. :|;l;::l| ノ ハ: ; .|::;;ll|;;; ::::
;:゙゙゙゙:|:|: :| ::| :: ,ソ:///iw;;;;j;;;::;wハリ: " ;;'''""" ::;;
;\;|;} : :| :| ///,w'バjW´`':;' :;. ――――――人の心を一つの湖とするよ。 `"`"'';;,
\:|: :| ::| :: //丿丿. :.. ;::.;;'' ;;:;: :::' :.. ;'"'":;i' :;. :.. ;'
.:;:.:|;} : :| :| '゙゙゙r'':、;。;:;;lililili.;'":;. :.. ;'"'":;ii:.. ii :、;:i;":、;:;ii`;:;"ii":;" '.':''"'""'''""'"'"' "'''.'''"
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湖面に浮かぶ落ち葉はその人の顕在意識。
つまり表の自分だ。
/|ヾ 〃
i::ゝ \ ,, 〃
|:::::V ヽ ⌒ _ii, -‐''ブ
ゝ::::.\/i ,,,,-‐''::::ゞ_,/-‐- ,__,/'''‐- ,,,
 ̄ ̄ヽ  ̄ ̄ ̄ ( ゝ,:::::::/::::/:: ̄ ̄フ  ̄フ 〃
/:'/ ̄フ-,_ ii.\:: ̄ ̄ヽ ̄::/--‐'' 〃
====−-‐‐‐‐‐/ ii_ゝ--‐‐‐ '' ∠ ̄ヽ ̄ヽ ̄〃|
,,,, -‐ゝ--‐ '''' || |ヽ '''''‐- ,,,∠,,::-‐‐‐‐:フ ̄/;;;ノ `ヽ
-‐∠___ヽ/ /_フヽ ゝ\/:::::::ゝ,,  ̄ ̄ ̄ ̄ )
( ヽ;;;;;;;;;/ ∠_フ;;;;ノ ヽ:::::''-------,ゝ ‐‐
‐- ノ  ̄ ̄ ̄ ̄
湖底に厚く積もった柔らかな腐葉土は、
生まれてからこれまで絶えることなく蓄積され、
しかし思い出すことのできない記憶…つまり潜在意識だ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人が何か行動をしようとするたび、
湖底からは泡が浮かび、湖面の落ち葉を揺らす。
/|
|::::ゝ,, ヽ
|::::ゝ:::\ ノ:::ソヽ
(( |:::::::\:::::'‐-'ヽ/:::::::O::::ソヽ
ゝ_:::ゝ|:::::::|:::::::ヾ:::::::o::::ヽ::l
|\,,,,,ゝ:_:_:_:_:_\::|:::::::::::|:::::::::::::/:::| ) )
ヽ:::::::::::_:_:_:_:_:_ ̄'''‐-::,:,|,::_::_::/::::::|
ヽ::::::::::::::::::::::::ト,,::-‐‐':::::::/ ̄フ'''‐- ,,,_
-‐ ゝ,:::::::::::::ト-′丶::::-‐::'':::::::/  ̄'''ゝ ‐-
( ーヾ'__ ゝ,:::::::::/゜ o )
‐- _ ゜  ̄ ̄ ̄ 。 〇 _ -‐
o 〇。 ゚ o 。゜ o
これまでの経験に、人は動かされるわけさ。
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ただ、僕らハンザイシャの心の湖底の一部には、ヘドロがある。
べっとりと悪臭のするガスで落ち葉を揺らす、悪しき堆積物だ。
_ _ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ;:;:;:;:
, ´ `ヽ。 ◯。 .:.:.:.:.:.:.:◯.:.:
! ! .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ;:;:;:;:;:;:;:
:ヽ、__,.ノ:: o ◯
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
_ _ :;:;:;:;:;:;:
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: o。 , ´ `ヽ
.:.◯:.:.:.:.:.: 。 o .:.:.:.:.:.:.:.:.: o :! !.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:;:彡ミミ;:;:;:;:;:;:;:;:;◯:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:◯.:.: ::ヽ、__,.ノ:: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
:::::::::::::::::ミミ:::::::::::::::::_ _ :::::::::;:;:;:;: ;:;:;:;:;:;:;:。:;:;:;:;:;:;:;:;: :::.。:::::::ミミ:::::::::::::::::::::::::::::ミミ
.;.ミミ彡ミミ;.;.;.;.;.;.;., ´ `ヽ;.;.;;.;.;彡ミミ.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.ミミ;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ミミ彡ミミ.;.;.;.;
ミミ彡ミミ;:;:;:;:;:;:;:;::! !:;ミミ彡ミミ:;:;:;:;:。;:;:;:;:;:;::;:;:;:;:;:。;:;:;:;:;:;:;:;:;:;。:;:;:;:;:ミミ彡ミミ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ミミ
ミミミ彡ミミ彡ミミ:ヽ、__,.ノ::ミミミ;;;。゚;;;;;;;;;;;;。;;;;;;;;;;;。;;;;;;;;゚;;;;;。;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ミミミ彡ミミ彡ミミミ
ミミミ彡ミミ彡ミ゚ミミミOミミ彡ミミ彡ミミミミミ彡ミミミミミミ彡ミミ彡ミミミミミミ彡ミミミ彡ミミ彡ミミ
言うなれば、犯罪を犯す元となる部分。
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落ち葉、腐葉土、ヘドロ…これらを全部取り除くとどうだろう。
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|::::ゝ,, ヽ
|::::ゝ:::\ ノ:::ソヽ
|:::::::\:::::'‐-'ヽ/::::::::::::::::ソヽ
ゝ_:::ゝ|:::::::|:::::::ヾ::::::::::::::ヽ::l
|\,,,,,ゝ:_:_:_:_:_\::|:::::::::::|:::::::::::::/:::|
ヽ:::::::::::_:_:_:_:_:_ ̄'''‐-::,,,|::_::_:::/::::::|
ヽ::::::::::::::::::::::::ト,,::-‐‐':::::::/ ̄フ'''‐- ,,,_
ゝ,:::::::::::::ト-′丶::::-‐::'':::::::/: : : : :  ̄'''ゝ
ーヾ'__ ゝ,:::::::::/: : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : ::  ̄ ̄ ̄ : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : :
落ち葉はまた湖面に降りてくるからいいとして、
落ち葉を揺らす泡を作れない。腐葉土がないからね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
赤ん坊ならまだいいよ。
行く末は心の全くない木偶人形なのかも。
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
......................................................................................................................................................................
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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::(0 0):::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;| ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;としし_,O;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
執行側からしても、鉛筆の使い方も知らないような
廃人を抱えるなんてまっぴらゴメンだろう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
. _/ // / ヽ ヽ @)
ゝヾ/ / / ヽ ヽ ||
/// / / |ヽ .ヽ||
// / / / /= |=|ヽ |=|\
// ./ / / / | .| ヽ| .|ヽ|
((^(( @=.==O)/ .| | :| ..| :| ト===
/ | | / / / | | :|ー.| :|V |__|ヽ
. / .| | ヽ /⌒ヽ ヽ===|┌⊂| | |=====| |
|''( ̄(@二 @| -‐‐‐::: ̄ ̄ ̄ ̄/三三/ ̄'|
/ヽ/|  ̄/ ∠-ヽ ̄ヽ⌒゚ヾ /三三/ ̄/二二/三三/ .//
| v回vヽ/ ヽ ヽ;:;:;ゞ ||三三|| / ||三三||))//
ヽヽ / ヽ_ヽ─┐ ゞ‐‐‐-' `ー‐‐‐‐‐‐'
ヽヽ ./_____ヽ ,,/|
ヽ__(____,, -‐‐‐'''。u 僕が考えるに、完全忘却は
..;!;!;!;!i;i;:;;.:.i;i;,, ..i;ii.i. ,,..'.;'"∪.:..''"'" "''' '''. 落ち葉と湖底のヘドロだけを
;';';';':~::;';';';';';'~:〃;ミミ::`',i; i;i;!;!;!"'''Ο.':::.;'":''" '.' 削り取る作業だ。
'::::::':':':':':::::':': '::巛彡;::ミヘ;ミミ::::::';''"'"'i;i;il;l;";!;!i;i;i;;'"' "'
:::::::::::::::::ミヾヾ:ゞ::::巛ノゞヾヾ;::ミヘ:.:.:.〃;ミミ:: ';i;i;i;''"'"' "'
::::彡::::::::::::::::〃;ミミ:::::::.彡;《:.:.ゞ::::巛ノゞヾヾ:巛彡;::ミヘ ヘドロではない腐葉土の部分は、
::::::: 〜:::::::巛彡;::ミヘ::::.:.〃;ミミ::: : 丿: :ノノゞ::::巛ノゞヾヾ'" 湖底に遺される。
:.:.:.:.:.:ミ.::::::::: -::ゞ::::巛ノゞヾヾ::巛彡;::ミヘ: : : : : ミ:::''"'"
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- '''ヽヾiツィ:::ヽヾiツィ ,、 。.. ,、
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││
││ ┌───────────
││ │ つまり
││ └──――――Ο――――
││ 。
││
││
││ ∧ ∧ /V\
││ (,, ^д) d(・−・ )
││ /]∪∪ ヽ <y>m )
││ と_)__) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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┌―――――――――────
|潜在意識は完全には消えない。
└─────Ο───────
。
/V\
( ・−・ )
( ∞ ヽ
。
┌──────Ο────
│消えるのは顕在意識と、
│ほんの一部の潜在意識のみ。
└─────────────
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││
││┌──────────────────────
│││だからね、
│││ 「ちょっと変わるけど基本的にはそのまま。」なのさ。
││└───────――――Ο――――──────
││ 。
││
││
││ ∧ ∧ /V\
││ (; ^д) (・−・ )
││ /]∪∪ ( ∞ ヽ
││ と_)__) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││
││┌──────────┐
│││ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ └─────
││└─────┐
││ │ 98番さん、じゃあ、
││ └───/──────
││
││ ∧ ∧ /V\
││ (; ^Д) (・−・ )
││ /]∪∪ ( ∞ ヽ
││ と_)__) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌──\─────────
│ その説が当たっているなら
└────────────
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││
││┌─────────────
│││ 刑を受けた人間が
│││ 何らかのきっかけで
│││ 過去の人間に戻るということは
││└──────────────
││ ┌────────────
││ │ ありえるでしょうか?
││ └──/─────────
││
││ ∧ ∧ /V\
││ (,, ^Д) (・−・ )
││ /]∪∪ ( ∞ ヽ
││ と_)__) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││
││
││
││ ┌────────────────
││ │ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 可能性で言うと
││ └──────────Ο─────
││ 。
││ ∧ ∧ /V\
││ (,, ^д) ( ・−・)
││ /]∪∪ / ヽソ∩)
││ と_)__) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l} _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌――――――――――
|
| 無くはないかもね
| /|
└―――――――――― / |
/ ::::::::::| / ::::|
/ :::::::::::::::| / ::::::::::|
/ ::::::::::::::::├‐‐‐‐‐‐''' ::::::::::::::::|
/ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::/
i ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
| ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
', :::::::::::::::/\::::::::::::::::::::::::::::::/`i:::::::::i
│|| ', ::::::::::'::::::::` \:::::::::::::::::::::/::::::|::::::::i
──┼─ ', :::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::':::::::::::::::::/
│ \ 〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/. ┐|
\_ /| '''‐- ,,,___::::::::/二二/_,, '\. └┼―
/ | :::::::::\ ̄ ̄ ̄ ̄/::::::::::┌― | )
/  ̄|:::::::::::::\::::::::::/::::::::::::::::|:::::::ヽ | /
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌―――┐
| あ
└─── ┌──────
│ あ、あ、
└─Ο────
。
/V\
( ・−・ )
m9<y> ヽ
。
┌──────Ο──────
│さてはさては、さては君
│ 今、よからぬことを考えたね
└──────────────
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││ ┌────────────────
││ │ わかってるんだよ?
││ │ 言動から察するに、
││ │ 君は誰かに憎悪の念を抱えている
││ └────Ο───────────
││ 。
││ /V\
││ (−・ )
││ ∧ ∧ と<y> ) ))
││ (; ^д) Y 人
││ /]∪ つ (_」 J
││ と_)__) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄o ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌────────O───
│それも尋常ではないほどの
│大きさ暗さを持ったものをね
└────────────
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││ ┌────────────────
││ │ その人畜無害なニヤケ顔の下で
││ │ 何を企んだんだい?
││ └──Ο───────────――
││ 。
││ /V\
││ (−・ )
││ ∧ ∧ と<y> ) ))
││(; ^д)' ) Y 人
││ ヽ つヽ (_」 J
││ と_)__) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄o ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌──O─────────―――――――
│自分の受刑後のことかい?
│ なんとか記憶を回復させて復讐の続きが
| できないものかと、そう考えたのかい?
└────────────―――――――
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││ ┌────────────────――
││ │ 言っておくけどね
││ │ さっきのは可能性の有無を聞かれたから
|| | 「ある」と答えたんだ。
││ └──Ο───────────――――
││ 。
││ ツンツク
││ ./V\
││ ∧ ∧ (−・ .) ツンツン
││(; ^Д)と<y>と )
││ ヽ つヽ Y )
││ と_)__( l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄o ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌──O─────────―――
│実際は忘刑後に記憶が蘇るなど
│ 万に一つもないんだよ。
| なにせ、前例がないんだから。
└────────────――
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││┌──────────────
|||た…企んでませんそんなこと!
││└────/─────────
││
││ ブニー ┌―――――――――
││ ./V\ |えー?本当かなぁ?
││ ∧ ∧ (−・ .) └――――Ο―――――
││(; ^Д>o<y> ヽ 。
││ ヽ つヽ Y )
││ と_)__( l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\从从从从从从从从从/
< ホントですぅ!! >
/∨∨∨∨∨∨∨∨∨\
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││┌──────────────――――
|||た…確かに、思っていた時期はありますよ。
││└────/─────────――――
││
││
││ /V\
││ ∧ ∧ (・−・ )
││ (; Д∩ ( ∞ [ヽ
││ (⊃ヽ/ Y )
││ と_)_) ( l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌――――\―――――――――――
| どうにか、塀を出た後でも
| あいつを殺せる方法はないものかと
└――――――――――――――――
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││┌─────────────
|||…でも、今はもういいんです。
││└────/────────
││
││
││ /V\
││ .∧ ∧ (・−・ )
││ (,, д) ( ∞ [ヽ
││ /]∪∪ Y )
││. と_)_) ( l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌――――\―――――――――――
| 早く楽になりたいんです。
| この感情を捨て去ってしまいたい。
└――――――――――――――――
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
││┌───────────
|||ただ、ただね、98番さん
││└────/──────
││
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││ /V\
││ .∧ ∧ (・−・ )
││ (,, д) ( ∞ [ヽ
││ /]∪∪ Y )
││. と_)_) ( l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌――――\―――――――――――
| あいつは忘身刑を受けているんです。
| …さっき頭をよぎったのは
└――――――――――――――――
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ヽ‐- ,,,__
ヽ  ̄'''‐- ,,,____,,, -‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐,
┌―――――― ヽ ' ' /
|あいつが ヽ /
|放火魔に戻る ゝ /
|可能性は /ヽ ',
└――\――― / i :::::::::::::::::::::: iヽ
/ | : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::: | ヽ
', ',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ | ┌―――――――
', ', ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /| / |あるのだろうかと
', | ' , _____ -‐ヽ ``/ | / └――/――――
ヽ └―┐‐ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;_ 二/' | ̄ /
ヽ └― \ /  ̄ /
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││┌───────────
||| ただそれだけです…
││└────/──────
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││ /V\
││ .∧ ∧ (・−・ )
││ (,, д) ( ∞ [ヽ
││ /]∪∪ Y )
││. と_)_) ( l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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|| | ・ ・ ・ ・ ・ ・ そ。
││ └────Ο──────
││ 。
││ /V\
││ .∧ ∧ (・−・ )
││ (; д) ( ∞ [ヽ
││ /]∪∪ Y )
││. と_)_) ( l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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││ ┌────────―――――
|| | なーんだなんだ、つまんないの
││ └────Ο───―――――
|| o
││┌―――――――――――――
││| つまんながらないでください
││└――――/―――――――――
││ /V\
││ i'( ・−・)ヽ
││ .∧ ∧ ヽ <y>ヽ/
││ (; д) ( ( ノ γヽ
││ /]∪∪ (__丿\__ノ
││. と_)_) l{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}l}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
98番さんは
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この二日後、忘身刑を受けた。
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