【クマさん、ヒーター】
ミ `ー´彡「なるほどねぇ」
ネーさんは備え付けの小さな湯沸かし器でお湯を沸かし
紙コップに紅茶を注いだ。
そうか、彼女の居るところは「外界」なのだ。
たとえ透明な板一枚隔てただけの空間であっても。
…ボクは「犯罪者」なのだから、あの飲み物を口にするのは許されない。
ミ `ー´彡「君も飲む?ちょっと渡しづらいかもしれないけど。」
(,,^Д^)「いえ…」
ネーさんはふーと湯気を吹く。
ミ `ー´彡「…まぁ、そんなに思いつめなさんな。
人死にが出た訳でもなし。」
(,,^Д^)「死にはしなかったけど、殺すところだった。
人を殺しかけたのに、忘れていた。
…ボクは、そんな危険な人間だったんだ…」
ミ `ー´彡「丁度いいじゃないか。
ここは元々、そういう連中を置いとくところなんだ。」
紅茶を一口、二口、ネーさんは紙コップを机に置く。
その目は遠く、まるでこの建物を突き抜けて、海の向こうでも眺めているようだった。
ミ `ー´彡「…君はさ、多分どっかでここの他の受刑者を下に見てたんだよ。
"僕はここには場違いな人間だ""僕はこいつらとは違う"ってさ。」
(,,^Д^)「…そんなこと…」
口ではそう言ったが、図星かもしれなかった。
以前ネーさんが口にした「理由もなく罪を犯す人間はいない」という言葉が突き刺さる。
ミ `ー´彡「違うんだったら、犯罪者らしく開き直っときなさいな。
その方が楽だよ。」
(,,^Д^)「…」
ミ*`ー´彡「あは、私今懺悔室らしからぬこと言ったね。内緒ね。」
ボクはなんとなく、ネーさんの笑顔を直視できなくなった。
…あいつは、あいつも、「罪を犯す理由」を持っていたのだろうか。
ボク達家族を殺した時、何を思ったのだろうか。
ミ `ー´彡「まぁでも、やっぱりこれ以上過去のことを思い出すのは止めたほうがいいね。」
(,,^Д^)「えっ?」
ミ `ー´彡「思い出せないのはさ、きっと君の脳の防御反応だ。
精神に負担をかけすぎるような記憶に、脳が蓋をしているのさ。」
(;^Д^)「でも…あの…」
ミ `ー´彡「や め る ん だ よ ?」
(;^Д^)「…わかりました」
止めさせられてしまった。
せっかく久々にやる気が出たのになぁ。
ボクはまた無益な日々を無気力に消化するだけの人間に戻るのだ。
…それはそうと
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│ ネーさん、今日はボク欲しいものがあr.┌────────
└───\──────────── │ 煙草はダメだよ。
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│ おおかたクマさんに頼まれでもしたんだろう
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│ そうじゃないにしても火を使うものなんて渡せないよ
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│ ああ、やっぱり…
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ダメだろうとは思っていたが、まさか言い出す前にバレるなんて。
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│…ん?ネーさん、「クマさん」って…
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│ ああ、君の同居人のことさ。私が勝手に呼んでるんだけどね
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(,,^д) | | (ー´ 彡 ヽ,ニニニ,/
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( _ ヽ| ̄ ̄ ̄.| | ̄ ̄ ̄|ヽ_,ハ ヽ |
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│ ああ…確かに熊っぽくはありますね
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│ まあそれもあるんだけどさ
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.∧∧ ...| | λ_λ . i幵幵幵i
(;^д) | | ミ/)◎´ミ .ヽ,ニニニ,/
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< アキ!!アキアキアキ!!! >.i幵幵幵i
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│ ごめんごめん、驚かせたね
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│なんですか今の…
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rァヘc‐、 .| | λ_λ . i幵幵幵i
キーン i i+Д+) .| | (ー´ 彡 ヽ,ニニニ,/
ゝ<y>ノ .| | Цと .iyi )0 ̄ ̄ ̄ ̄|
( _ ヽ| ̄ ̄ ̄.| | ̄ ̄ ̄|ヽ_,ハ ヽ |
|_|L,i__i| .| | | i lし`ー'. .|
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│ これさ
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| | .i幵幵幵i
.∧∧ | | λ_λ . i幵幵幵i ←
(;^д) | | (ー´ 彡σ ニニニニ/ <ヒーター!!
/7] ヽ) .| | Цと .iyi ノ ̄ ̄ ̄ ̄|
( _ ヽ| ̄ ̄ ̄.| | ̄ ̄ ̄|ヽ_,ハ ヽ |
|_|L,i__i| .| | | i lし`ー'. |
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│「カーくん」っていってね
│九官鳥型のヴァーチャルペットさ
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│アニマルセラピーに使えるって勧められて買ったんだけどさ、
│うるさいし変なことしかいわないし、半ば諦めてるんだよ
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│ でもなんだかおもしろいでしょ?
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( _ ヽ| ̄ ̄ ̄.| | ̄ ̄ ̄|ヽ_,ハ ヽ |
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\从从从从/
<ヒーター!>
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.│ そうかい、この子は「ヒーター」かい
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< ヒーター >
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(;^Д) | | ミ `)') ニニニニ/
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( _ ヽ| ̄ ̄ ̄.| | ̄ ̄ ̄|ヽ_,ハ ヽ |
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│ 君、「ヒーター」だってさ
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│ 「クマさん」もそうさ。この子が勝手に名付けるんだよ
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(;^д) .| | (ー´ 彡 .ヽ,ニニニ,/
/7] U .| | Ц ∩ .iyi )0 ̄ ̄ ̄ ̄|
( _ ヽ| ̄ ̄ ̄.| | ̄ ̄ ̄|ヽ_,ハ ヽ |
|_|L,i__i| .| | | i lし`ー'. |
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│ 敵の名前見ただけで我を失っちゃうもんだもんね
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│ 熱くなりやすいから「ヒーター」か 案外しっくりきてるんじゃない?
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.| | x‐ .i幵幵幵i
.∧∧ ...| | X λ_λ . i幵幵幵i
(;^д) .| | (ー´ *彡 .ヽ,ニニニ,/
/7] ∞ | | Ц ∩ .iyi )0 ̄ ̄ ̄ ̄|
( _ ヽ| ̄ ̄ ̄.| | ̄ ̄ ̄|ヽ_,ハ ヽ |
|_|L,i__i| .| | | i lし`ー'. |
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│なんだか不本意だな…
└──────────
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\从从从从从从从从从从从/
<アキ!アキアキヒーター!>
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│ うるさいねえ スイッチ切ってやろうか
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(,,^Д) | | ミ #`ー) ヽ,ニニニ,/
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( _ ヽ| ̄ ̄ ̄.| | ̄ ̄ ̄|ヽ_,ハ ヽ |
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│ …ネーさん
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│案外気に入ってますね
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(,,^Д) | | ミ `ー) ヽ,ニニニ,/
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│ うふふー
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│不思議なもんでね、ふとした時に、ひょっとしてこいつらは人間の本質を
│知ってるんじゃないかと思ってしまうんだ
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│ 糞もしない、臭わない、ただの人工物なのにね
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│私たちはこいつらの目にどんな風に写っているのかねえ
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│ もし、「神様」の存在が科学的に証明されていたらどうする?
│ 自分たちの創造主が、存在していたとしたら…
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.| | .i幵幵幵i
.∧∧ ...| | λ_λ . i幵幵幵i
(,,^Д) | | ミ `ー´ミ ヽ,ニニニ,/
/7] U .| | Ц ∩ .iyi )0 ̄ ̄ ̄ ̄|
( _ ヽ| ̄ ̄ ̄.| | ̄ ̄ ̄|ヽ_,ハ ヽ |
|_|L,i__i| .| | | i lし`ー'. |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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│ 私だったら、憎んでると思うね
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) \ ┬‐ 、
/ ! / /
/ ─-< /
_ヘ ヽ/
_〉 r─、 |
_) ´ ̄` .|
_), 、 |
\_  ̄ /
/ \ 「 ̄
/ ̄ ̄\, \|7、_
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ミ `ー´彡「…ヒーターくん」
ネーさんはさっそく新しいあだ名でボクを呼ぶ。
ミ `ー´彡「クマさんと仲良くしてやってね。
あの人ああ見えて淋しがりやだから。」
(,,^Д^)「さびしがりや?あの人が?」
他人がいようがいまいがマイペース。そしてフリーダム。
それが3番さんという認識でいたのですが。
ミ `ー´彡「"3番"なんて若い番号の受刑者、他に見たことあるかい?」
(,,^Д^)「…全員を見たことがないんでなんとも…」
ミ `ー´彡「1桁の番号を持つ受刑者なんて、この拘置所でクマさんしかいないんだよ。
彼はここで最も古い受刑者でね。その分、多くの別れを知ってるはずさ。」
(,,^Д^)「別れ…ですか」
同居人と別れたからって、そんなおセンチな気分になるのかしら。あの3番さんが。
(,,^Д^)「…でも、なんで3番さんだけ、そんなに長くここに留まっているんでしょうか」
ミ `ー´彡「…ああ、それはね。」
ネーさんは自分の長い毛を指先でいじる。
すこし、言うのをためらっているようだった。
ミ `ー´彡「あの人さ、とある暴力団の、結構なおえらいさんでね…
その会長が、圧力をかけてるって話だ。
…あの人が刑を受けることのないように。」
つづく