───11月。
ちょうどあの事件と同じ月。
それは、ボクが一度目の死を迎えてから6年が経つということを示していた。

ボクは、檻の中にいる。




               【おてがみ】



 





3番さんはやがて、筆圧でガビガビになったその手紙を小さな茶封筒に押し込み、
刑務官に手渡した。
あぶない。
なんてあぶない人なんだ…

…なんてドン引きしながらも、ボクは心の内では安心していた。
3番さん自身も、分かっている筈だった。

あの手紙は刑務官の検閲を受ける。
内容が内容だ。あれが「マルミちゃん」とやらに、届くわけがない。


3番さんは次の日も、その次の日も、手紙を書いていた。


つづく


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