-------------あいつと、ボクは同じ学校の同学年だった。
ただ、ボクとあいつに接点は何もない。
別々のクラスだったし、しゃべったこともない。
あいつは学校内で目立つ存在だった。
休み時間になると、いつもあいつの明るい大声が廊下に鳴り響いていたし、
文化祭の実行委員やら、イベント事があると必ず目にする顔だった。
2年生ながらサッカー部のエース。当然スポーツ万能
勉強の成績はどうだったか知らないが
とにかくあいつは有名人だったから
知り合いでもなんでもないけど、ボクは彼の存在は知っていた。
…その程度だ。
あいつなんて、ボクのこと知らないはず。
だから、ボクの家が標的になったのは
本当に偶然だったんだ。
ボクのせいじゃない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
∧∧ _
,- ( )-, .| |
_ _, - (::::::::) l⌒ | |
| |二二二二[ニニニ]二二| |
_ _ ____|_| _||_ |_|___ _ _
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌───────────
│ 君も知っているだろう。
│ 「彼」は14歳
└───\──────
┌───────────
│ この意味がわかるかぃ
└──/────────
∧∧ _
,- ( )-, .| |
_ _, - (::::::::) l⌒.| |
| |二二二二[ニニニ]二二| |
_ _ ____|_| _||_ |_|___ _ _
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌────────────
│ 「彼」の精神は発育段階。
│ 通常の忘身刑を施すには
│ リスクが大きすぎる
└───\────────
┌────────────────
│ 未成熟な心が「完全忘却」に
│ 耐えられず、再び精神異常をきたす
│ 恐れがあるからだぃょぅ
└──/─────────────
コキッ
(( ,'⌒.> _
,- l、_>-, | |
_ _, - (::::::::) l⌒ | |
| |二二二二[ニニニ]二二| |
_ _ ____|_| _||_ |_|___ _ _
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────
│ そこで行われるのが
└───\──────
┌──────
│ 「補填忘却」
└──/───
,'⌒.> _
从 l、_>-, | |
_ ボキッ 七::::::::::) l⌒.| |
| |二二二二[ニニニ]二二| |
_ _ ____|_| _||_ |_|___ _ _
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────────────
│一度完全忘却を施した脳に
│ 人工の代替記憶を焼き付けることにより
└───\──────────────
┌────────────────────
│ 精神的負荷を軽減させ
│ 同時に社会的更生も図るというものだぃょぅ
└──/─────────────────
ボキ ボキ
从 ,'⌒.> _
ヽ l、_>-, .| |
_ _, Σ ヘ(::::::::) l⌒.| |
| |二二二二[ニニニ]二二| |
_ _ ____|_| _||_ .|_|___ _ _
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌─────────────────
│ 通常の忘身刑では
│ 受刑後に自分が犯罪者であることが
│ 本人に伝えられるが
│ 「彼」の場合それがない
└───\─────────────
┌─────────────────
│ 「彼」はまったくの別人として
│ 何も知らずに生きていくことになる
└──/──────────────
バキ
バキ ブチ
,'⌒.>ノ:: _
::ヽ l、_>-, .| |
_ _, :: ヘ(::::::::) l⌒.| |
| |二二二二[ニニニ]二二| |
_ _ ____|_| _||_ .|_|___ _ _
パキ ボキボキ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────
│ つまり
└───\──
┌────
│ だ
└──/─
,'⌒.> _
,- l、_>-, | |
_ _, - (::::::::) l⌒ | |
| |二二二二[ニニニ]二二| |
_ _ ____|_| _||_; .|_|___ _ _
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<⌒ヽ ⊃ グリンッ
<、 3ノ-,. | |
_ __, - (::::::::) l⌒| |
| |二二二二[ニニニ]二二| |
_ _ ____|_| _||_ ...|_|___ _ _
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌─────────
│君たち家族の死は
└─────────
____
,,-'''"゙゙l、.ヽ-- ヽ
,/ r'''i : : " ) ヽ
_,,/  ̄  ̄ ヽ ヽ ┬-
,,-'"` l ヽ │了 ヽ
,,/゛ : i .,,l, .|,|,、l゙;;;;;,,-ヽ ┌───────────────
/: : : : :::::::: _____`'ー‐'^l゙l, |. l,l゙;;;;;゙i、;;;;; ヽ. │ 「無かったこと」に
−--、,,,,,,,,,,,,,! / ヽ : | .];;;,,-''...;;;;;;;;;;l.
└───────┤なるのだ
,/ ./ ヽ.: : :::|,,,l,i,′;;;;;;;;;;;;;;;l
└──────
,,/ | 。 |;::::::::::!::ll!ll,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|ヽ
_/ : .: : : : │ │;,::::::::l:,ill|;llli、;;;;;;;;;;;;;;;;| `┐
,/ : .: : ::::::::::::::::::::ヽ_ .、i、 ',ァ":::::\l゙;lllll;.lll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|,,、 ''''''i、
/ : .: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::`''ー---!‐'"::::|、::::,/;;;;llll!;l!″;;;;;;;;;;; | ゙'!i,、 ヽ
._,,_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙l_,,‐´;;;;;;゙! ;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i´ .゙| ゙‐
 ゙゙゙゙゙̄"'''''''――――-、,,_:::::::::::::::_,,,,-‐\_、;;;;;;;;;;;;;;;;;_,,,,-┴、,,,、,il
 ̄ ̄'l″ `゙''''''''''''│ . ,ノ ''トi、
゙l\,_ │ ._,,-‐'゛ ヾ│
" ~^'''''''''''''''''''''''''“¬-,,、 |_
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌────────
│ く… く…
└───\从从从从从从从从从/
< くけけけけ!! >
/∨∨∨∨∨∨∨∨∨\
\从从从从从从从从从从从从/
< くやしいねえ くるしいねえ >
:: <⌒ヽ:: _ /∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨\
::<、 ワノ::: ... | |
_ _, - (::::::::) l::::::::: | | \从从从从从从从从从/
| |二二二二[ニニニ]二二二| | < 気持ちわかるよお >
_ _ ____|_| _||_ .|_|___ /∨∨∨∨∨∨∨∨∨\ _
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
\从从从从从从从从从从/
< でもしょうがないよお >
/∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨\
\从从从从从从从从/
< 許してやれよお >
/∨∨∨∨∨∨∨∨\
\从从从从从从从从从/
< くけ…くけけけけ! >
/∨∨∨∨∨∨∨∨∨\
:: <⌒ヽ:: スウ…
::<、 ワノ:::,. .| |
_ _, - (::::::::) l | |
| |二二二二[ニニニ]二二二| |
_ _ ____|_| _||_ .|_|____ _
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
\从从从从从从从从/
<けけけけけけけ! >
/∨∨∨∨∨∨∨∨\
【嫌いな時間】
\从从从从从从从从从从从从/
< くけけけけけけけけ!! >
/∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨\
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
つづく